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13才のときにグレン・グールドのピアノに 出会う。以来抱き続けたグールドに会うという夢を追って28才でカナダへ。後追い日記はその記録である。
属性はシャーマン。


☆ミクシに習って、ぬさんからの紹介状
不在の幻影から愛するひとを救い出し、グーグルキャッシュの中に愛のエクリチュールを刻印しつづける、GGの恋人。二人はもう触れあうことができないが故に永遠に惹き付けあうことができる、まるで恒星と惑星の関係のような、あらゆる恋人が夢見るユートピアに住むひとです。


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後追い日記82年2・グールドを見る

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#グールドを見る

 サンドラとある会合に出向いた。そこにいた夫人達と話す。相変わらずマコのグールド物語だ。その中のひとりがびっくりするようなことを言う。
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「グールドさんなら私が住んでいるアパートに住んでいるわよ」
「えっ、どこですか?」
「セントクレア通り110番地よ」

 翌晩、授業の前にセントクレア通りに行く。
西の方からアパートの前に着くと、突然大きな車がそのアパートの少し東の方から南へ出てきた。車は、道路に出るために、止まって、流れる車をやり過ごす。車中には黒づくめの男性。

 グールドだ!!
 駆け寄って車のドアを開けたい。でも手を振ることも出来ず、アヴェニュー道路に向きを変えて走り去る車を眺めていただけ。

 グールドは、実に機嫌が悪そうで写真で知る顔や姿とは驚く程違っていた。当時グールドに会った人誰もが「びっくりする程面やつれしていた」と話している時期のこと。肉体的に限界に来ていたのだろう。
 晩年のポートレートはどの写真も死の影を帯びている。死の中にとんがった神経を突き立てているような異様な雰囲気だった。

 これがグールドとの唯一の現実的な出会い体験。9ヶ月後、彼は「死」を演じるかのように脳溢血で亡くなる。そしてグールドの霊魂との交流が始まる。マコの場合、グールドの死が、決定的な出会い、おしゃべりの始まりとなるのだった。


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「私、グールドを見たわ」
「どこで?」
「セントクレアで車の運転をしていたわ」
「どんな車だった?」
「大きな黒い車」
「リンカーン・コンチネンタルね。間違いなく彼よ」
サウスウッドのフランシスは、電話での報告に彼がグールドであることを認めた。



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# by mhara21 | 2006-06-24 18:16 | 後追い日記82年 | Comments(2)

後追い日記82年1・新しい下宿

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#新しい下宿

新しい下宿先は、屋根裏部屋で暖か。家族は病気がちな主人、腰痛の激しい奥さんとその娘のサンドラ。地下には浴室とトイレがあり、2階は全部、若夫婦に貸し、3階の2部屋のうち、東側がサンドラ、西側の通りに面した部屋がマコだった。
ここからは高校の英語の授業に楽に通えた。

台所はどこの家でも電気のレンジである。どこで発電しているのか分からないが、ナイアガラからたっぷり送電されてくるためらしい。

住み始めて3日、友人が病気だったのでカレーを作って届けようとした。最強と最弱の具合がよく分からず最弱で鍋を火に掛けて本を読み出した。火力の間違いに気付いて火を直していると家主夫人が来た。
「一体何をしているの? 台所にいる時間が長過ぎるわ」
「カレーを作っていて火の強さを間違えたの。病気の友人に少し持っていくの」
「あなたの友人の為に私の電気を使わないで。友人の家で料理しなさい」

この件以来、この家主夫人に気を許したことはない。マコを「心の優しい頭のいい人」と気に入って、中年の息子の嫁にと言われたがお断りであった。

夫人は主人を憎しみきっていた。貧しい男性との結婚で次々に7人もの子供が出来ては、自分の生活など守れなかっただろう。

「男は外で遊び、家では妻にお金の心配までさせ、踏みつけて暮らすんだ」と吐き捨てるように言う。彼女の中国語なまりの英語は響きが強かった。新しく同居するようになったマコの前では、「仲の悪い夫婦が他人に見せる仲良し振り」とサンドラは両親に批判的。

この家の因縁は深そうだ。何かしら家の中の雰囲気が重く、うっとおしい。



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# by mhara21 | 2006-06-24 18:12 | 後追い日記82年 | Comments(0)

グールドへのメール10 芸術とは売春

グールドへのメールを1から読む

 2001.3.28

 「愛とは乗り物と同じで、そのこと自体何てことない。ただ運転手と乗客と道路とが問題なだけ」
 「愛はいつも傷を残す」
 これは悲観主義者のカフカの言葉です。

 「芸術とは売春である」 
 これはボードレールの言葉。

 愛と芸術について、グールドならどうコメントしたでしょう。
 人間関係はお金が絡むとだめになるように、愛も男女間の愛がとりわけうまくいかないのはセックスがあるからでしょう。
私にとって「愛」とは霊魂の苦痛を無条件で引き受けることでした。職種としては生活費すら稼げず、人間に認められる仕事ではないようだけど、しようと思わないのにできていました。その結果、多分、「傷と愛が残った」

 あなたは、ピアノを通して、美と全く独自の解釈を世界にふりまく。
 「芸術とは売春」とは響くものがあります。

 子供の頃、クララ・ハスキルが嫌いで、現在も幸せを感じる女流ピアニストは田中希代子さんしかいません。田中さんの世界にエロスは感じないけれど、グレインジャーやグールドには性夢が見れます。

 女性の体を属七の和音にして、ほったらかしのグールドに比べて、グレインジャーは最初から食べ頃のトニックのくだもののような芳醇な香りを与えるから。どちらに心が安らぐかというといえば、グレインジャーに決まっています。

 佐藤春夫の短編小説に「星」という2人の中国美女を書いた作品がありますが、1人は美貌を鼻にかけて益々きれいに。片方は謙遜ゆえにより典雅になる物語です。まるで2人のGGのようなお話です。

 得意になることで演奏に風味を増すグールドに対して、グレインジャーには、まろやかな謙虚が光ります。
 教師としての働きがなかったグールドに比べ、グレインジャーは、一時期、音楽院に奉職しています。
 2人のGを比べることは南と北を論ずるくらいにおもしろいかもしれません。

 昔なら1人でGGだったのに、1999年から2人のGGになったのが、気になってたまらなかったGGさん。お迎えの時、来ないのなら、グレインジャーのお墓に「松葉ボタン」で咲いています。

 ハインリッヒ・ハイネ(1799−1856)の「ムーシュのために」の詩には、自分の墓に花となって咲く女性への思いが込められています。私の気持ちよりは少しくどい内容です。 

 両親のお墓には三角の葉っぱのスミレが咲くのです。一体、誰なのでしょう?

 お墓と言えば、ローンとMさんはマクルーハンのお墓参りに行ったそうですよ。
 探し出したお墓には言葉があるそうです。
 「真理は足元にあり、私たちは解放されたのです」

 マクルーハンには鋭いコメントが沢山ありますね。「メディア論」全部は読めていないけど「知能テスト」批判が主婦に受けています。生意気な原真砂子がかつて「知恵おくれ」と判定された。テストは「知能めいろ」のお金儲け!お金のかかるものを信じてはいけない。

 FMでグールドを聴きましょう。リクエストでかかるよう、ラジオ局にメールを入れましょうね。


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# by mhara21 | 2006-06-16 17:33 | グールドへのメール | Comments(0)

グールドへのメール9 ダンサーたち

グールドへのメールを1から読む

 2001.3.27

朝から、せわしかったです。
青森のS先生から、「ニーチェへの手紙」の感想、続いてMさんのニューヨーク・トロントへの小旅行報告で心をかき乱されました。
Mさんは私の音楽生活の水先案内人のような方ですね。アメリカの旧グレインジャー宅に行かれたそうです。カナダではクバレックを訪問。

連れて行ったのは、あなたが大好きだったCBCのエンジニア「ローン・トーク」
ローンには「弟になってくれないか?」とおっしゃったそうですね。ローンが「兄弟が・・・」というと一人っ子のグールドは、そんなところに「兄弟」が出てくるとびっくりしたそう。

クバレック氏は、チェコからカナダへ亡命したピアニストであなたの援助を受け、あなたのプロデュースによる録音もある。トロント王立音楽院の先生だったクバレックのレッスンを受けに行っていた日々がなつかしいです。あの頃(1987年)は曲が多すぎて無理していました。

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評判の映画「リトル・ダンサー」を観ました。バレーを躍る少年がグレン坊やにそっくり。
ハンサムの基本線で美男子はかなり共通点があるのでしょう。ビリーが躍っているとグールドのピアノの音の中にいるダンサーのようでした。に加えて、ロケ地のイングランド北東部、イージントンの最後の炭坑は、海辺なのか時折、青い水が映ります。ヨットの白も見えることもあり、オンタリオ湖の借景を思い出しました。

ダンスといえばニーチェも「ツァラトゥストラ」でダンスについてコメントしています。ニジンスキーは「ニーチェなら私のことを理解してくれるだろう」と。グレインジャーは、音に形と動きがある舞踏系ピアニスト。


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女性舞踏家のフィルムでは朝鮮の舞姫「崔 承喜(チェ・スンヒ)」が最高です。その全生涯を歴史(政治)と社会的状況の中に身をおかざるを得なかったダンサー。彼女の踊りを見ると如来界の心の動きや慈しみがどんなものなのか目から鱗が取れるようにわかります。

サウスウッド32番地の狭い子供部屋でひとりで寝ていたグールド。映画ではビリーはお兄ちゃんと一緒に寝つくシーンが多く、兄弟の寝ている姿とダンスシーンは対照的。ボタ山や炭坑の風景がわかり、「スト」、「スト破り」が「ブラス」よりも激しく撮してありました。

井上陽水も炭坑出身で、炭坑はご自分の原点と。そして「カナリア」は彼の作品の中で一番好きとのこと。
炭坑では爆発前のガスに気づくためにカナリアを坑内に持って入るそうで、ガスならぬ電磁波がどんなに怖ろしいものか。誰もせせら笑って受け止めようとしません。

ダンスと音楽、芸術は連なる山のごとし。「関連」、凡人には関連が見えないものの一つ。


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関連日記

金 賛汀(キム・チャンジョン)著「炎は闇の彼方に-伝説の舞姫・崔承喜(チェスンヒ)」を読んで  byマサコ

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# by mhara21 | 2006-06-13 12:31 | グールドへのメール | Comments(2)

グールドへのメール8 しゃべり足らずに

グールドへのメールを1から読む

 2001.3.26

 きょうは2通めのメールです。
 春の夕方、桜のピンクで通りが染まっています。その中をケーキを買いに行くのですが、このケーキ屋さんの近くに昔、母のピアノの先生が住んでいらっしゃいました。

 グールドさんのピアノの先生は、トロント王立音楽院時代のチリ人のゲレーロさん、おひとりのようですね。子供時代のお母様を除いては。
 そのゲレーロ氏から、ゴルトベルクの存在を教えられて、独自の練習法まで伝授されたと伺っております。

 ゴルトベルクは手の痛んでいるところを露骨にわからせる、きわめてきつい作品です。私などは弾かずに昼寝する方が、どれだけ幸せになれるかしれない。

 所属している同人誌の方から、私の作文の感想が来ました。心に電燈がパッとついたよう。ですからあなたもご自分の芸術への感想を受け取るのは、今だにうれしいことなのでしょう。

 スーパーで一切れ80円になる甘塩ジャケを5切れ買って、姉のお弁当に入れました。姉はドビュッシーのように、食べ物が大きかったり、沢山あると食べないタイプの人です。
 私と姉は、まるでご夫婦みたいねと言われます。
 もうひとり、いつも喧嘩ばかりしている姉がいるのをご存じですね。
 みんな、スピンスターです。その3姉妹に27歳のイギリス人の男性が「氣圧」をしに来て下さる。これがよく効くのです。そして、20代の女性がこのメール、その他をワープロに打ち込んで下さいます。ヤングパワーってところです。

 もうそちらでは年齢はないのでしょう?
 一体どんなところに住んでいるの?


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# by mhara21 | 2006-06-11 14:30 | グールドへのメール | Comments(0)

グールドへのメール7 おしゃべりは続く

グールドへのメールを1から読む

2001.3.26

 昨日、この町の桜の開花が宣告されました。例年より5日早いそうです。
 桜がカナダの国花であるとしても、多分毎年、開花宣言はニュースにならない。 大まかな国でしたから。

 TVでは春らしく、蝶々やトンボの話をしています。蝶々には人間には見えない色が見えるそうです。「紫外線」が見えるパターンで見ているそうですよ。多くの人は、あなたの音楽に紫外線のエネルギーを感じるのではないかしら?

 「ニーチェの蝶々」という杉橋陽一さんのエッセイがあります。その中でR・シュトラウス(グールドが最後に録音したお気に入りの作曲家)の交響詩の話や馬と乗り手を哲学と哲学者の関係になぞらえたニーチェ。そして、「回り道」がニーチェの重要なキーワードのひとつと書いてあります。テキパキとした文体の中に散りばめてあるニーチェ・ア・ラ・カルトが美味な前菜風。

 でも残念なことにグールドさんの文は訳されたものしか読むことができないので、本当はどうなっているかわからない。訳されたあなたの文は、具の多いスープのよう。しつこくて一人よがりなのは、ニーチェで慣れています。笑ってしまうこともあるから、相性が悪いとは思えない。あなたが身近な人で、私が英語ができたら、どんなにおもしろかったでしょう。

 宗教と哲学の要素がないために、シャーマニズムの永遠性に行き着く考えの持ち主は少ない。それだからこんなに淋しいのでしょう。

 だから、シェークスピア、ツァラトゥストラ、光源氏をすべて押さえた音楽家のあなたは、ピタゴラスのような存在として、私の心を惹きつけて離さないのです。旧石器時代のファンとしては、縄文、弥生を経て、グールド・ルネッサンスが平安朝に行き着くことを信じて疑わないのです。
 25世紀くらいにまた生まれて、あなたの評価がどんなに展開しているか、見たいものです。

 今、ご飯を炊いています。火が欠けるというこの「炊」という字。電気を利用するのを暗示するような漢字ですね。習字に字配りがあるようにグールドの一音一音に、「音配り」が「形」があります。天才の世界に触れると鈍くて心汚い人々の世界がもっと嫌になります。
さあ、かの有名なる日本の炊き立てのご飯の香りをお供えしましょう。
 
 お話は変わって、この間初めて、バーンスタインのモーツァルトのコンツェルトをFMで聴いたのです。ト長調のあなたが「27歳の記憶」で冒頭を奏でていらした分です。
 私のト長調狂い。ご存じですよね。

 なんて、素敵なモーツァルトだったでしょう。お色気の香り。忘れられない色彩。こんなに飾り気なく美しいピアノが弾ける人々が指揮も作曲も見事にお出来になるのですね。
 フルトヴェングラーのa moll(イ短調)のコンツェルトがモーツァルトの「わび・さび」であるのなら「子供の花柳界」のバーンスタインのモーツァルト。あなたのc moll(ハ短調)は「都会派・流しのおっちゃん」ってとこかしら。

 「口を慎め」と言ってくれる人さえいない。あたいのおしゃべり。それぞれのお墓には聞こえていますように。


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# by mhara21 | 2006-06-06 12:36 | グールドへのメール | Comments(0)

グールドへのメール6 ご両親の愛 

グールドへのメールを1から読む

 2001.3.25

 近所の大きな沈丁花の薫香がアパートの裏階段まで押し寄せています。
 町に行ったけれど頭痛がひどくて映画は止めて帰って来ました。
 790円の定食を食べて、デパートの地下でお菓子を買って、電車の中の人々に世の中の冴えない一面を感じ、それでも地下鉄のコイン入れに「新500円×」「旧500円○」のサインを見て、あなたの新旧のゴルトベルクを連想して、グールドファンを続けるのです。

 モーツァルトのオペラ「コジ・ファン・トッテ(女はみんなこうしたもの)」に「お手紙ちょうだい。毎日よ」の歌がありますが、今日なら「E-mail ちょうだい。日に3度よ」の感覚でしょうか?

 今、日本では田中康夫長野県知事が「脱ダム宣言」をしました。田中知事が殺されないように、無事を祈っています。世の中の人はお金のためならどんな不正も平気です。(という私もキセルをしたことあります。)

 土建屋さんのお陰で日本の自然がむやみやたらに害されていく様子は、虫の食ってない私の歯に金をかぶせて、毎月、何の用事もないのに呼んでは3000円〜5000円払わせていた歯科医に通じるものがあります。要するに必要でない事をして、収入を得る、いや、金を取る目的で健全なものを傷つけていくのです。歯医者の不正は、私の口の中で私が笑う度に金色に光っておりますんですよ。

 「そこまでさせる私がバカ」なのでしょうか?人を信じてはいけません。こう教えないといけない世に毎日赤ん坊が35万人も生まれている。しかも、ほとんどが親になる資格なしの人の下に。
 この世は、人間さえいなかったら、とてもいい所でしょうね。
 「これが世の中か。よしもう一度」なんて心境にはなれません。

 あーその中で、ご自分の生命を削るようにして、永遠なる国の音楽を聴かせて下さったグールドさん。 あなたがいらしたから、私はどうぞこうぞ生きてこれました。こうやって吸う息「グレン」。吐く息「グールド」。この2拍子で、これからも生き続ける。

 ニセものだらけのこの世に、あなたのような芸術家がいらしたことは神様の国からの贈り物でした。 カフカのように孤独を愛し、グールドを愛する人々に音楽を通して寄り添うことのできる、天国からの使者だったのでしょう。

 子の中には親がいると言うけれど、あの基礎力のある美しい演奏には、ご両親の音楽的教養が極めて高いものであったことを思わせる端正さがあります。特にリズムの美しさ。人間の誠実さ、質実・錬磨・正直。この4本の柱に支えられた屋根の下で、ご両親のどれだけの愛情と配慮が毎日あなたに示されていたことでしょう。
 今日、多くの人々があなたの演奏から受け取る愛は、ご両親によってかつてあなたに与えられていたものではないでしょうか?

 恐らく私がもう入ることのないあのサウスウッド32番地のお家で、あなたは音楽の神様から祝福を受け続けた方だったのですね。そして音楽を通して、見知らぬ人々の人生を祝福する力を授かったのでしょう。
 何というパワーに満ちた、生命がはじきかえるような生き生きとした演奏でしょう。

 アーメン・そうめん・冷やそうめんと日本の悪たれは、バテレンをからかいます。
 と言う訳で「賛美e-mail 」合い言葉「GG」


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# by mhara21 | 2006-06-03 12:26 | グールドへのメール | Comments(0)

グールドへのメール5 日曜喫茶室

グールドへのメールを1から読む

2001.3.25

 今日は雨降り。
 チューリップの開花のためには3月4月充分な水気が必要で、この時季の雨は大歓迎。
 FMでは、猫の話をしています。猫は色で分けるそうで飼い猫は100ちょっとの種類があるそうです。この頃は、ロボットの犬猫を持っている人がいて、その内、ロボット人間と住む人も出てくるでしょう。
 「カフカの恋人たち」を訳された池内紀(おさむ)さんが出ている番組です。関西弁でしゃべっておられます。池内さん、カフカの訳では有名な方です。

 あなたのお好きなマンの「魔の山」は読み出すと全身から、シュプレヒコール「ハイジが読みたい」が聞こえて来て、読みにくい。カフカは「変身」を読み切れないまま、ミレナのことだけはよく知っている状態でした。
 カフカが好きな理由は、孤独が好きで、体の調子が悪く特に音に敏感だったから?
(孤独と言えば今日は日曜日で、いつも一緒の上の姉は美容院に行っていません。次姉の家に泊まってくるそうで、夜は一人。稀に一人だと一人の良さがよくわかります。)
 この本から、人が「愛とは何か」と悩む姿も伝わってきます。

 お話をあなたの恋人たちに移すと多分一番近しかった女性、コーネリア・フォスさんは手記を出版なさろうとはしないよう。グールドさんがとても気むずかしくて、奇妙だったのコメントは知っています。

 カフカの恋人だった女性たちはあの時代のヨーロッパのユダヤ系の宿命で収容所で亡くなっている方も多いです。何となくカフカとグールドを重ねても、グールドの方がはるかに我が儘だった気がします。

 今、ブラザーズ・フォアの歌声が、流れ出しました。歌詞は「break up」だけわかります。岸本加代子さんが猫が18匹いた頃の話をしゃべっています。ロシアでは猫のサーカスがあるそうですよ。

 さて、人間、歳を取ると若い時と違ったことを考えるもの。20年前、私の夢はあなたと一緒にピアノを弾くことでした。今では恥ずかしくて、人に言うこともできません。

そもそも17才の時に「自分には詩が書けない」と思い込んだ原因は最近分かりました。日本人で漢文の素養のない人間の詩には香りが出ないのです。苦手な漢字の一字一字がブルガリアのローズ水の香りとなるバラの花だったのでしょう。詩を書こうと試みたことすらありません。
 文を短くしただけで、詩にならないのは髪を短く切っただけで人前に出ていけるカットにならないのと同じ。あなたの美しいピアノを聴き続けて、尚、「ピアノは弾けないわ」と思わなかった神経がわかりません。

 でもそのおかげであの長い旅が始まり、トロントの音楽の花園に案内されたのですから。「盲、蛇におじず」で、何かをやってみるのも人生の過ごし方なのでしょうね。

 FMでは、犬と猫とどっちが耳がいいか?の話題。 
 ネコの方ですって。人間では2万ヘルツ。ネコは6万ヘルツ。ネコは女の人の声が好きだそうです。嗅覚は犬の方が勝っているそうです。今度は、目の話。ネコの目って底に鏡がついているそうです。だから光るのだって。

 今日は、カフカの手触りにグールドの面影を見たいい日。
 今から、映画を観に行って、木イチゴのソースがかかったブラマンジュを買ってこれたら、曇天でも私の心は赤い傘のように華やぐことでしょう。

 ネコの話するのになんだって、こう犬と比べないといけないのでしょう。まるでグールドの話をするのにグレインジャーの話が出るようです。要するに正反対なので、比べたくなるのでしょうね。
 今、ノラ犬とノラ猫の話。

 2:00からは、なつかしいブルッフのヴァイオリンコンツェルトgmoll が、かかります。トロントでの伴奏者としての日々が思い出されます。

 あなたは、貧しい音楽のお針子さんであった私のピアノを珍しく黙って聴いて下さっていたのでしょう。 「勤勉は馬鹿の代償にならない」の言葉を信じない気の強い女性は・・・。

 今度は、ネコの風呂嫌いの話。砂漠のリビア猫がルーツだからだそうです。お陰様で、「猫」の字を覚えました。「けもののへん」を「くさかんむり」より場所を取らせるとバチッと決まります。今は狼の話。ハッと気づくと「おたまじゃくしの話」話が飛ぶのは私だけではないです。
池内さん、最後のまとめ。
 「自分の好きなものの話をすると、話している人の人柄がにじみ出る」とのこと。
 それでは、グールドの話をする私はどうなっているのかなぁ。
 「日曜喫茶室」のブレンド。いかがでしたか?ウェイトレスは原真砂子でした。


追 記 2016年2月21日

「人は好きなものについて語る時、その人の人柄が滲み出る」には、全く同感である。
だから私は分野が違っても、その事柄に本当に心を傾けて純粋に愛している人たちのお話を聞くのが大好き。
真底、愛せるものを幾つも持てる人は幸せだと思う。



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# by mhara21 | 2006-05-29 20:16 | グールドへのメール | Comments(0)

後追い日記81年44・カナダの暖房

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#カナダの暖房

前の下宿から転送された郵便にクリスマスカードが数枚入っていた。カードを飾り、冷凍庫の中の冷凍食品を食べ、時々上の階のお風呂に入り、この家での最後の仕事、ハウスシッティングを楽しむ。
けちん坊のゴドウスキー家も暖房についてはきちんとしていた。
出かける前には
「この国で冬の暖房器の故障は死を意味する位大変なことだから、何かあったらすぐに連絡するように」

ベビーシッターを凍死にさせるのが怖かったのだろう。トロントでは冬の間、長時間家を離れる時も最低限の暖房はつけておくそうだ。その方が家の痛みが少なく家具にも良いとのこと。
下宿先によっては、家人が外出する昼間は、下宿人の為に暖房するのが勿体なくて、温度を下げる家主もいた。

引っ越し直前に日本から兄が電話してきた。
「もうグールドはいい加減に止めたら」
「いやよ」
久し振りの声だったが、懐かしいと思わなかった。

引っ越しの手伝いに来た梁氏が、荷を運び出す時
「行き先は家主に伝えてあるの?」
「親類の人に教えている」
「それは良かった。でないと物を盗んだとか、言われっ放しになるよ。行き先を教えて出ることは正々堂々とこの家を離れた証明になるんだ」

世の中には経験して見なければ分からない事が沢山ある。行き先を教えて出ることに重要な意味があるとは。


#81年12月のグールド 

グレン・グールドはその頃、とても忙しく仕事をしていた。手の事でピアノが全く弾けない状態から解放されると、この世での日々が短いのを知っていたかのようにフル回転。
その中のひとつに12月のラジオ朗読がある。

グールドは、夏目漱石の「草枕」を愛読し、第1章の一部を朗読している。しかしマコにそのラジオ放送のことを教えてくれる人はいなかった。
 
朗読の前にグールドは語る。
「・・・・『草枕』は、いろいろな要素を含んでいますが、特に思索と行動、無関心と義理、西洋と東洋の価値観といった対立や、“モダニズム”のはらむ危険をあつかっています。私が思うに、これは20世紀小説の最高傑作のひとつです・・・・・」
そして翌年1月、地上のグールドに一番近く接近する日がやってきた。



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# by mhara21 | 2006-05-28 14:28 | 後追い日記81年 | Comments(1)

後追い日記81年43・最後の日々@ゴドウスキー家

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#ゴドウスキー家での最後の日々

マコは、雪をボーッと見ていた。生まれ育った関西地方の12月は、さざんかの白・ピンク・赤・薄紫の花が一重・八重にふんだんに咲く。

雪を描くのにまずキャンバスをピンクに塗って乾かしてから白を塗ると暖かそうな雪になる。ゴッホはアルル時代に黄色が引き立つようにあまり使わない薬をキャンバスの下塗りに使った。

歌川広重は「東海道五拾三次」の「亀山・雪晴」で雪に埋まった家の上にバラ色の空を描いている。日本が恋しい私は、ひとしきり広重の「鞠子」の雪景色の中に我身を置いた。

藍灰色の空から霏々として雪が舞い落ちる絵の中に入ってみても、雪を思わすグールドのシベリウスの演奏に雪の匂いをさがしている。一瞬の日本恋しさは、すぐに消えた。

 ---日本には帰りたくない。いいことなんか何もなかった。
日本では、精神的窮状に陥るとグールドの音楽が救護所(シェルター)、グールド音楽を酸素吸入のように吸って生きてきた。
グールドに会って、そばに生きる日を生き甲斐に頑張ってきたのだ。逢えたら、日本に帰るような生き方はしたくない。できることならカナダにズーッと暮らしていたい。

バラの香りに静かな田園の朝景色を連想するように、白一色の初めての冬は、マコの想像力を掻き立てた。
ベルベットの雪の上にラヴェンダーとカモミールとネロリの香りがあるピアノの音。あるいはゴッホの黄色の太陽を浴び、ピンクや黄色に染まる雪。埋もれつくす雪の世界は、マコの好きなシリウス(天狼星)の白が、天から降ってくるようだった。雪の下に色を探したくなる。
母から、「あなたのピンク」「あなたの黄色」と似合う色を教えられた思い出がある。なぜか大きなため息が出た。



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# by mhara21 | 2006-05-27 15:46 | 後追い日記81年 | Comments(0)