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☆マサコのプロフィール
13才のときにグレン・グールドのピアノに 出会う。以来抱き続けたグールドに会うという夢を追って28才でカナダへ。後追い日記はその記録である。
属性はシャーマン。


☆ミクシに習って、ぬさんからの紹介状
不在の幻影から愛するひとを救い出し、グーグルキャッシュの中に愛のエクリチュールを刻印しつづける、GGの恋人。二人はもう触れあうことができないが故に永遠に惹き付けあうことができる、まるで恒星と惑星の関係のような、あらゆる恋人が夢見るユートピアに住むひとです。


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ゴールドベルク讃歌


この星をあやうく包む絹の大気の静けさのうちに
初めての水のひとしずくのように音が生れる
日々のまどろみを破って太陽がのぼる
忘れられた生きものの化石を秘めた遠い地平から

何ひとつ思い出す必要はない
何ひとつ夢見る必要もない
音は故知らぬかなたからの光の波 光の粒
それがあなたに新しい朝をもたらす

どんな時代の荒れ地にも芽吹く名もない草花
その種子はすでに用意されていた
せめぎあう人間の歴史をさかのぼり
見ることも聞くこともできない宇宙の沈黙のうちに

そこから一人の子どもが歩き始める
音の階段をのぼり音の噴水に足をひたし
子どもは聞きとる哀しみという言葉以前の哀しみを
人々の行き交う町角のざわめきの中に

音に洗われてよみがえる耳音に目覚めて見はられる眼
音をたどり音に迷い音と戯れ音に導かれ
子どもは見る 歓びという言葉以上の歓びを
青空の高みを目指して伸び上がる木々の梢に

ゆらめく音の寺院にかくされたもどかしい宝もの
幾重にも重なり合う感情の深いみなもと
誰も気づかぬうちに成就した太古からの予言
あらゆる疑問符を上書きしてしまう感嘆符

あらがう声 讃える声 なげく声 祈る声
からみあいもつれあう声が織りなすいくつもの文様
子どもは知る 混沌のうちにひそむ秩序を
ただひとつのおのが魂を限りなく豊かに変奏することを

苦しみと不安の闇のあわいにひとつの音が輝き始める
音は音をいざない音を呼び音と連なり
やがてあてどない時空の胸をきらめく首飾りで飾る
いまあなたはすべてを思い出し すべてを夢見るだろう

谷川俊太郎 「シャガールと木の葉」より 集英社刊 






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by mhara21 | 2007-04-18 15:32 | エッセイ | Comments(0)
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