検索
☆マサコのプロフィール
13才のときにグレン・グールドのピアノに 出会う。以来抱き続けたグールドに会うという夢を追って28才でカナダへ。後追い日記はその記録である。
属性はシャーマン。


☆ミクシに習って、ぬさんからの紹介状
不在の幻影から愛するひとを救い出し、グーグルキャッシュの中に愛のエクリチュールを刻印しつづける、GGの恋人。二人はもう触れあうことができないが故に永遠に惹き付けあうことができる、まるで恒星と惑星の関係のような、あらゆる恋人が夢見るユートピアに住むひとです。


☆このブログの本拠地は
 海峡web版  です。

グールド、並びにグールド家からのプレゼントはこちら。

 グールドのサイン入りレコード
 もう1つのレコード
 グールドの本とそのメモ書き
 パパグールドさんのご本

☆グールドおよび後追い日記に関係のないトラックバックやコメントは削除する場合があります。
カテゴリ
全体
後追い日記81年
後追い日記82年
後追い日記83年
後追い日記84年
後追い日記85年
後追い日記86年
後追い日記87年
グールドからのプレゼント
グールドへのメール
エッセイ
ゴルトベルクをめぐる
グ−ルド・レストラン
8月のゴルトベルク
グ−ルドとエクスタシー
田中希代子
未分類
タグ
(98)
(60)
(44)
(33)
(16)
(13)
(12)
(11)
(8)
(4)
(3)
(3)
(2)
(2)
(1)
フォロー中のブログ
海峡web版
記事ランキング
最新のコメント
この寒い季節に白いお花に..
by mhara21 at 22:15
今、楽譜の右上の作曲者・..
by mhara21 at 17:41
この歌は歌いやすそうでい..
by mhara21 at 17:40
この電話の後、私はすぐマ..
by grpspica at 16:35
リヒテルによりますとマリ..
by mhara21 at 11:11
以前の記事
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
more...


後追い日記84年17 ・透明な対象



#透明な対象

マコはトロントの風景を見ても形容したいと思ったことがない。日本から同人誌に入らないか?と誘いが来て、鉛筆で文をひねっても、カナダの自然の大まかさと文才の無さで、出て来るのは、順列も整わない文章ばかり。

学校へは、他のクラスの授業があるので、週に何日かは出ていくが、ピアノが弾けないと自分のお家ではないよう。

「ハハハ、あなたこの頃、少しふっくらしてきたわ。弾いていないでしょう。練習量の多い時は、ガリガリのガリ。食事をしに出かけようともしないで、やるものね。音楽院って、手袋したり、弾いている時、ハミングしたり、結構グールドのまねしている連中がいるでしょう?
私、あなたの丸こい背中を見ていると、グールドさんが『ついているのではないか?』と思うのよ」

「あら、そうだったの。なぜこんなに下手なのかしら?」

「マコって、別に音楽しなくていい人なのよ。○○先生も××氏も言っていたわ。何でも持っている人だって」

「どういう意味? 病気を持っているということ?」

「違うわよ。勇気や行動力、努力のことよ。それに、マコの話し相手になれるのは、音楽家では、フランス語で小説を書いた、ヴァレリー・アファナシエフしかいないだろうって」

「アファナシエフは共感覚者ではないけれど、シューベルトのピアノソナタに『白』を見るそうよ。モスクワ音楽院では、マリア・ユージナがゴルトベルク変奏曲に新約聖書をかこつけるので鬱陶しくて、ユージナに寄りつかなかったことを後悔しているの」

「ねぇ、マコって視覚的記憶力で歴史のテスト本からみんな覚えるって本当?」

「ええ、でもショルティは視覚的メモリーの持ち主は、音楽的でないといっているわ」

「グールドは例外よね」

「ブレンデルは、音に色も見ないし、その手の記憶術はないそうよ。いかにもそんな感じがする。学生の間で、フォト系とピッチのいい人たち、演奏するとすぐわかるわね。水のように流れる感じがね」

「ARCTが済んで、先は何するの?」

「わからない。日本には帰りたくないの。湿気のせいで体がもっと痛いし、家族が仲良し過ぎてピアノが練習出来ないの」

「まあ、それだったら、なぜ結婚したがるの?」

「わからない。専業主婦願望がいけないそうよ。北米では2組に1つが離婚する。その際夫婦の財産は、まっぷたつ。とにかく働いて自立している女性以外は、男性のお呼びでないといわれたことがあるわ。
私一度に沢山のこと少しずつするのが苦手でね。家事なら、家事だけで充分なの。 その考えが、お話にならないそう。日本のバカなお嬢さん(おばさんなのに)だって。 家に怠け者の専業主婦がいると、男の人はかわいそうね。
今、グールドが生きていたら、ベトナム人に化けて、お手伝いさんになるわ。 ピアノのキイを叩いて、怒られるの」

「あなたは、グールドと一緒なら、一生結婚出来ないわよ」

「いいの。1人がいい。病気の時、相手に悪く思われず、寝てられるし、自分を責めることもないし」

マコは、自分は人と違うから「ミンナ」のところには行けないと知っていた。でも人が、マコとどれくらい、異なるかのところは全く、わかっていない。
「透明な対象」は、その存在を人間に気づかれるほど、ドヂな精霊ではないのだ。それで人は、いつも寂しがってばかりいる。



next 84年18へ






*************************************
[PR]
by mhara21 | 2007-01-30 09:49 | 後追い日記84年 | Comments(0)
<< 後追い日記84年18 ・友子さん  後追い日記84年16 ・偏見 >>