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合い言葉GG
by mhara21
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☆マサコのプロフィール
13才のときにグレン・グールドのピアノに 出会う。以来抱き続けたグールドに会うという夢を追って28才でカナダへ。後追い日記はその記録である。
属性はシャーマン。


☆ミクシに習って、ぬさんからの紹介状
不在の幻影から愛するひとを救い出し、グーグルキャッシュの中に愛のエクリチュールを刻印しつづける、GGの恋人。二人はもう触れあうことができないが故に永遠に惹き付けあうことができる、まるで恒星と惑星の関係のような、あらゆる恋人が夢見るユートピアに住むひとです。


☆このブログの本拠地は
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後追い日記84年2 ・秘書のセイディ

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 後追い日記84年2 ・秘書のセイディ_b0071688_21441897.jpg

#秘書のセイディ

グールドの秘書だったセイディに逢うことになった。
待ち合わせの場所はトロント大学の食堂。セイディはスリランカの人。
職安から紹介されて、グールドの面接に行った。
「あなたはピアノを弾くの?」
と尋ねるグールドに「いいえ」と答え、逆にセイディから
「あなたはピアノを弾くの?」と質問されたグールドは
「ウッ!!」

グールドはセイディのためにコーヒーを入れてくれる優しい上司で、セイディによるといろいろな所で働いたが、コーヒーを入れてくれた上司はグールドだけ。またグールドは有能な人でセイディに与える仕事が何分かかるか言って、その通りだった。

「グールドが生きていればきっとあなたに会ったでしょうね」
「そうは思わないわ」
「いえ、会いましたとも」
セイディは優しいまなざしでマコの目を眺めると「今でもグールドさんのことを思うの?」と聞いた。瞬間、マコは泣き出していた。

グレン・グールド。なんという美しい名前だろう。 
人によっては「シャネル」にその人の全てを委ねて、その製品を所有することで心が満たされるように、マコには心にグールドの音楽を纏うことが生命の糧となっている。
グールドへの想い、グールドを失った悲しみは、日を追う毎に深まる。
トロント時代、グールドに「今度はトロントでマコがピアノを弾く番」と励まされても、マコは喜べなかった。

グールドからの通信は91年の4月以来、完全に絶たれた。そのことを切なく悲しく思う今、グールドの励ましに支えられて過ごした日々は宝石のよう。
 「どうして私は1人なの?」
孤独に耐えかねてグールドによく尋ねた。
「芸術のためだよ」。

ピアノ曲は1月中、まだモーツァルトにかかりきりだった。マリーナ先生は生徒の指導のために使う曲と使わない曲をはっきり分けていらした。そして曲に関しては、どの曲をどういう目的のために与えるか、はっきりした見解と明確な指導力をもっていらした。

マコがARCT用に選んだモーツァルトのソナタハ長調K309は、マリーナの教授のレパートリーに入っている曲ではなかった。元来マコは一般受けする曲は好きになれないので、選んだモーツァルトの曲もあまり頻繁には弾かれない難しい地味なものだった。
5年間の学生生活は音楽院で時間を過ごすことが多かったが、1度だけ誰かがこの曲の3楽章を弾いていた。一緒にいたマリーナは「懐かしいものが聞こえてくるわね」と楽しそうだった。
板チョコと雪でモーツァルトが作った御菓子のような味がする第3楽章は好きだ。


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by mhara21 | 2006-12-15 22:58 | 後追い日記84年 | Comments(0)
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