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合い言葉GG
by mhara21
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☆マサコのプロフィール
13才のときにグレン・グールドのピアノに 出会う。以来抱き続けたグールドに会うという夢を追って28才でカナダへ。後追い日記はその記録である。
属性はシャーマン。


☆ミクシに習って、ぬさんからの紹介状
不在の幻影から愛するひとを救い出し、グーグルキャッシュの中に愛のエクリチュールを刻印しつづける、GGの恋人。二人はもう触れあうことができないが故に永遠に惹き付けあうことができる、まるで恒星と惑星の関係のような、あらゆる恋人が夢見るユートピアに住むひとです。


☆このブログの本拠地は
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後追い日記82年44・12月

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後追い日記82年44・12月_b0071688_14254165.jpg


#12月

トロントに12月が来た。
下宿先の梁氏から「来年5月に出産する。住み込みのベビーシッターを雇うので、新しい下宿を探してほしい」と頼まれた。

ハーモニーのクラスでの惨事は続いていたけれど、ピアノは順調でグレード10のテストに向けて曲を準備をしていたところだった。

トロントに着いて以来、「この国のどこかで自分と幸せな家庭を築いていける人に出会わないか?」と期待をしていたが、運はなさそう。人は欲張ると不幸感に」包まれる。いつかマコには霊魂が来なくなり、快適な生活が送れる日が来ると信じていた。

「結婚は全く必要のないもの」であり、「日本の学校に行けなかったこと」と、「結婚しなかったこと」が、マコを人としてここまで伸ばしてくれたのだと思うに至るには、これから10数年かかるのである。


#マコの日記 12月10日

もうすぐ前期がすむ。
もうフラフラ、倒れそう。
そんな時は、信じていないけれどやっぱりグールドを呼ぶ。
「パパ。パパ」

グレード10のテストには、平均律第1巻から「パストラル」のあだ名をつけた#9ホ長調プレリュードとおもちゃの汽車のようなフーガを選んだ。
グールドの平均律曲集は、ゴルトベルクが弾けなくてパニックになった時、引き取ってくださった精神科医の家で毎日聴いた。
グールドの渇ききった、絡みつくような、輪郭のはっきりした、しかも粘液が1滴もでない音(タッチ)の秘密はなんだろう。

今日も、彼の唯一の教師だったゲレーロ氏の未亡人とすれ違う。
 「あの方が、グールドの先生の奥さんよ」 
と教えてくれた人がいたから夫人のことを、毎日出会うとつくづく眺めてしまう。

グールドの演奏には、脳の真空部分を感じる。そしてドラマ性。イントネーションがどこか美空ひばりの歌唱力に通じる。 
特に16連音符の美しさには参る。大変軽いのに粒が大きくて、およそピアニスティックな貧困さのない、音が細く歌っている不思議なダンス。勿論、2分音符をゆっくり歌わせているのは、よく分かるけど。あの16連音符を弾くときのグールドのコンセプトや指裁きの術を知りたい。

グールドが来ているなら、なぜ、質問をして、答えを得ようとしないのだろう。
多分、深入りするのが嫌だから、聞かないまま流してるラジオのようにするだけ。



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by mhara21 | 2006-08-23 09:24 | 後追い日記82年 | Comments(1)
Commented by mhara21 at 2006-08-27 21:44
たった1枚の冬のトロントの絵葉書。
こんな日が続いたら、春がどんなに待ち遠しいか。モニカ
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