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合い言葉GG
by mhara21
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☆マサコのプロフィール
13才のときにグレン・グールドのピアノに 出会う。以来抱き続けたグールドに会うという夢を追って28才でカナダへ。後追い日記はその記録である。
属性はシャーマン。


☆ミクシに習って、ぬさんからの紹介状
不在の幻影から愛するひとを救い出し、グーグルキャッシュの中に愛のエクリチュールを刻印しつづける、GGの恋人。二人はもう触れあうことができないが故に永遠に惹き付けあうことができる、まるで恒星と惑星の関係のような、あらゆる恋人が夢見るユートピアに住むひとです。


☆このブログの本拠地は
 海峡web版  です。

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後追い日記82年40 ・スタジオとピアノ

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後追い日記82年40 ・スタジオとピアノ_b0071688_1414999.jpg


#スタジオとピアノ

1つ1つの部屋にピアノが入っていて、ピアノや部屋の雰囲気の違いを楽しみながら練習できる。
マコを迎えるピアノたちは多彩で豪華。若草色の少女のような縦型ピアノ。自分の分を心得たような堅実なピアノ。古いスタインウェイは鍵盤の重さを忘れたかのように見事に音が鳴る。ピアノを弾くことは鍵盤をまさぐって、筋肉の立った指で音の快感を創り上げること。ピアノは女体でピアニストは男性的な仕事だ。そうなるとピアノは女性より男性の方が上手なのかも。

スタジオまで辿り着いたけれど気分が悪くて練習出来ない時、寛いで休める広さの部屋もあれば、狭くてピアノと普通の机だけという部屋。完全防音ではなく、隣り合う部屋からの音が聴こえたし、廊下にも音が流れ出る。

1階の東棟のスタジオ113のMr.コーネルの部屋は、樹木から小さな花の鉢植えまでまるで植物園のよう。マコの先生のMr.ポールは背が低いせいか、植物も小さなものが少し置いてあるだけ。植物のないスタジオには絵や置物があった。毎日色々な家に招かれてビアノを勉強しているようだった。
 部屋の中では『ピアノの上にコーヒーを置くな』という注意書きも見かけたけれど、ここでドーナツやサンドイッチを食べたし、お客が来れば、ふんわりとしたソファに座ってお喋りもした。

入り口の戸にはガラスの小窓がある。ボタンのような小さい取っ手が付いた木の蓋が、普段は閉まっている。人を探したり、誰が弾いているのか知りたくなった時、その小窓を開けて覗く。部屋の中が音で一杯で、ノックが聞こえないからかもしれない。この小さなのぞき窓は音楽院をより詩的にしていた。 練習していると向こうの小窓に顔写真程もない人間の顔が見える。ある時はニコニコ笑っているのがわかる。顔見知りの院生が悩み事を相談に来る時の沈んだ顔が写る。ピアノを弾きながらどれだけ人の表情を見たことだろう。

音楽院の生徒になろうかと悩んでいた頃、室内から上手なピアノが聞えると急いで覗きに行った。学生でないとわかるとホっとしたものだ。生徒があんなに上手に弾いたのでは困る。生徒レヴェルは練習が下手。やり方がなっていない。どこをどういう目的で拭いているのか認識できずにやっている拭き掃除のよう。きれいに濯き、固く絞った雑巾を使わない。練習している曲を磨いているというより、酔った演奏をする。



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by mhara21 | 2006-08-17 10:03 | 後追い日記82年 | Comments(0)
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