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☆マサコのプロフィール
13才のときにグレン・グールドのピアノに 出会う。以来抱き続けたグールドに会うという夢を追って28才でカナダへ。後追い日記はその記録である。
属性はシャーマン。


☆ミクシに習って、ぬさんからの紹介状
不在の幻影から愛するひとを救い出し、グーグルキャッシュの中に愛のエクリチュールを刻印しつづける、GGの恋人。二人はもう触れあうことができないが故に永遠に惹き付けあうことができる、まるで恒星と惑星の関係のような、あらゆる恋人が夢見るユートピアに住むひとです。


☆このブログの本拠地は
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バッハと官僚

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井上靖氏の自伝的要素が強い本『夏草冬濤』の中で
「豆腐と納豆 は大嫌いで、豆腐と納豆の好きなヤツはもっと嫌い」
というセリフがあった。
「嫌いな人が同じでないと友達になれない」という言葉も
「その人がどんな人か知りたければ、友人を見ればわかる」に通じる。

私はバッハが大好きだけれど、
バッハの中に特に目立って嫌いな曲が一つある。
「半音階的幻想曲とフーガ」である。

最初に聴いたのはケンプの演奏で、何ともやりきれなかった。
シュナーベルとフィッシャーの演奏も聴いたが好きになれなかった。
この曲のかもし出す「官僚的雰囲気」が耐えられなかったのである。

出だしのフレーズは、曲がどの空間に漂っているのかを示す場合が多い。
私はこの曲ではまず、高飛車で不安定さを感じる。

受けて立つ次のフレーズは、つべこべ理屈的。
勝手気ままな、絞切り口 調が思わせぶり。
決まりきったあの調子、この調子のワンパターンで、
allargando(音を強くしながら次第に遅く) で前半が終わる。

後半はテレビでよく見る官僚の答弁、
「前例がないから...」
「調査中であるので...」
の文句と共に、その顔がドアップになるシーン。
浅はかで非情な語りは口先だけのもの。欲得だけの想い。
大きな建物、座り心地のよい椅子。
「俺は偉い、権威がある」
の深い満足感で幻想曲は終わる。

続くフーガのテーマの何というみすぼらしさよ。
人のしみったれた貧しい心がメロディーになればこんなものだろうか?
それが終わりに向けて膨脹しつつラプソディ風押し付け、
「俺は人生の勝者。 敗者はおまえらだ」と言わんばかりで終わる。
曲の悪口も人の悪口と同じで、あまり言ってはいけないのかもしれない。


ピアニストでこの曲を嫌い、「一回きり」と断って弾いた人がいる。
それもあのフーガ好きがフーガを弾いていない。

グレン・グールド。

やっぱりグールドと私は友人なのだ。


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30年近く咲き続ける(しかも一輪だけ)身長60cmはある原種に近いガーベラ


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 そのアップ








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# by mhara21 | 2016-09-08 13:39 | エッセイ | Comments(0)

後追い日記1986年17・ 樹木@アーサー通り(10月)

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プリンス・アーサー通りに1本だけ早々と紅葉するカエデがあった。
とにかく小さいのと、それに負けまいとするようにいの一番に紅くなる。
いつしか自分の姿を見るように眺めた。
この樹ともお別れになるのか?

セント・ジョージ駅のすぐ横に良さそうなマンションが建っている。
住所番号は、55。
なんとなく羽振りが良さそうに思えて、本当はこういう所に住んでみたいと憧れていた。
学校に近すぎて歩く事が出来ない。
座りっぱなしのピアノの稽古は、血流が悪くなるので、なるたけ駅から歩いたり、学校へ徒歩で通える範囲の場所がいいに決まっている。

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写真:シーズンが違うけれど、プリンス・アーサー通り 
        住所番号55のコンドミニアム




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# by mhara21 | 2016-09-01 13:29 | 後追い日記86年 | Comments(0)

Why War is Out of the Question?

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  Why War is Out of the Question? 
                  By Chinatsu Nakayama
                    (translated by Saiko)
For one, war is destruction.
It can destroy in a moment houses and cities,
Old historical remains, beautiful mountains and rivers
Of course, it destroys precious lives too.

For one, war is hunger.
Fields are destroyed, means of transportation are destroyed,
Stores are destroyed, and food disappears.
We suffer tremendous hunger.

For one, war makes us kill people.
No matter how much you don’t want to kill, if you become a soldier
You have to kill people in cold blood,
And more often than not you are forced to become a soldier.

For one, war takes away our freedom.
While having freedom to support war,
You have absolutely no freedom to hamper it.

For one, war brings disease.
Disease infests dirty cities torn by war,
Disease brought by bacteriological weapons and nuclear bombs runs rampant,
Psychological illnesses spread among soldiers,
Bombs contaminate water and air, and weaken life all over the Earth.

For one, war makes men arrogant.
Because, whatever we say, men take the main role in war,
In such a situation it is a man who is considered useful in this world,
And the value of a woman as a human being invariably goes down.

My dear girl, those who wish for such crazy things are either
1.Those who had lost their mind,
2.Those who can profit from war and lord over others or
3.Those who are fooled by such rotten lot.

Remember, because the Article 9 says no armament and
Disputes between states must be solved through discussion
Our constitution is the smartest in the world.

〜〜〜〜〜

なんで戦争はいけないの?   中山千夏

ひとつ、戦争は破壊する。
家や町、古い遺跡や美しい山河をあっという間に破壊する。
もちろん貴い生命も破壊する。
ひとつ、戦争は腹がへる。
田畑が破壊され、交通機関が破壊され、店が破壊され、
食べ物がなくなって、とてつもなく腹がへる。
ひとつ、戦争は人殺しを強制する。
いくら人を殺したくなくても、兵士になれば
平気で人殺しをしなければならないし、
たいてい無理やり兵士にされてしまう。
ひとつ、戦争は自由を奪う。
戦争の足しになることをする自由はあっても、
戦争の邪魔をする自由はまるきりなくなる。
ひとつ、戦争は病気を持ってくる。
破壊された不潔な町には伝染病がはびこり、
細菌兵器や原爆による病気がはびこり、
兵士たちの間には精神病がはびこり、
爆弾は地球全土の水や空気を汚染して生き物を弱らせる。
ひとつ、戦争は男を威張らせる。
なんたって戦争の主役は男だから、
世の中の役に立つのは男、ということになってしまって、
人間としての女の価値は必ず下がる。
 娘よ、こんなバカなことをしたがるのは、
 1.正気じゃない、
 2.戦争になれば儲かったり威張ったりできる、
 3.そういう連中にだまされている、
のどれかさ。
 
覚えておおき、軍備をしない、
国家間のもめごとは必ず話し合いで解決する、
と決めている日本の憲法第9条は、
だから、世界一かしこい憲法なんだよ。
 

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関連記事
なんで戦争はいけないの? by 原 野里子
戦場のピアニスト byモニカ
「わたしの『やめて』」 byグループスピカ
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# by mhara21 | 2016-08-15 12:00 | エッセイ | Comments(0)

後追い日記1986年16・下宿探し (10月)

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#10月下宿探し

面倒な家探しが又始まった。
下宿はその頃、2人の男性が入替わり立替わりで入って来て、西隣りの部屋に住んでいた。前に私が住んでいた部屋だ。とにかくルームメイトが1人だけというのは静かでよかった。S家とのお別れに当たって、あの大好きなラフマニノフのレコードを「記念品として下さい」なんていうのを思いつかなかったのはつくづくよかったと思う。
その後S氏は97年に亡くなった。
現在夫人が住む38 Bright St. の家に今もあのラフマニノフの弾くトロイカを含むヘンデルの「調子のよい鍛冶屋」の入った名盤があるかどうか? ともかくあの演奏を思うと世の中の苦しみなど、ほとんどブったぎられてしむ。体の芯から生命の躍動があらゆる波状の震えを伝えてくれる。卒倒ものの天才の仕事!!
夫人は「ニューヨークでラフマニノフの実演を聴いたことがあるけれど、演奏が済んだ後、動くことが出来なかった」と私がこのレコードとかける度に顔を輝かせていた。

私は英語圏の人々と心底打ち解けた気はしなかった。
母国語を共有していればこそ話し込むことの出来る人々に会えたとしても、まるで聾唖者になったかのようなもどかしさに耐えられなかった。言葉が出来ないと壁があって動作すらバカになる気がした。その割には自分の感情を表わす下らないことは、喋れた。私が珍しく黙っていると「どうしたの? 今日は温和しいね」とびっくりする人もいた。語学については帰国後の猛勉強でTOEIC870点を取得したが、出だしからそのレベルでカナダ生活を始める事が出来たのならもっと恐怖心も少なく幸せだったろう。言葉が違うのは大変でしんどい。しかし人間の心が違うのはもっと辛い。

引っ越しでごった返したS夫妻がいなくなるとウクライナ人の家主が乗り込んできて、断わりもなく大工仕事を始めた。家中、土埃でメチャクチャな状態になった。


ピアノはちゃんと弾いていた。Mr.Kは「ベートーヴェンのバガテルを弾いてはどうか?」と提案してきたので作品116全曲の楽譜を読んでいた。素敵な曲だった。
ベートーヴェンを弾くのは久し振りだった。
Mr.グリンガスが「子供の伴奏をしてくれないか?」と頼んでみえたので引き受けることにした。何より汚い下宿に帰っても心が休まらなかった。家具付の下宿だったのでも家具もS家に持ってかれ、尋ねてきた友人がその有様を見て「ひどい、ひどい」と言っていた。

ピアノの生徒は益々増えた。私の演奏はMr.Kを毎週驚かせる程に上達していた。
Mr.Kとはグールドの話をよくした。
「グールドに会ったことはないよ。グールドは僕の演奏好きだったんだよ。トロントにはグールドと一緒に寝たことがあるという女性がかなり沢山いる」とウィンクして笑っていた。
「グールドの死が突然だったから日本では自殺説も出たそうです」
「自殺ではない。あの頃、僕の所にトロント総合病院の看護婦さんでグールドの世話をしていた人がピアノを習いに来ていた。その人から色々聞いていたよ」

ピアノはバガテルが弾けるとチャイコフスキーに入っていった。そして念願のパルティータ6番の譜読みに入る。あー、何たる幸せ!
ピアノが練習できる喜びは何物にも変え難かった。しかし練習が終わってバスに乗って下宿の帰るのは嫌だった。

そんなある日、新しいお弟子さんが2人増えた。その家がグールドの父親であるラッセル・H・グールドさんの家の近くだと分かると私はグールドのお父さんに会いたくなった。



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# by mhara21 | 2016-08-15 00:00 | 後追い日記86年 | Comments(0)

祖母の写譜と細字

私が人生に懐かしく思う人は祖母である。
何と言っても、ものすごい人だったから。
祖母は、世渡りとこの世的な計算ができない以外、
多分、天才みたいにほぼすべての事が出来た。

その祖母の残した2冊のノートがある。
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1冊は写譜したもの。教会のオルガンで弾く前奏・後奏用と思われる。
表紙には「Piece for Organ」(Kazue Ishizaki)、目次には21曲が書かれている。
本を1冊丸写しにしたものか、彼女自身が気に入ったものを集めたのかは不明。
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祖母が教会でオルガンを弾いていたのは台北時代だと思うので、
このノートは昭和初期に書かれたものだろうと推察される。
楽譜の少ない時代には必要な作業だったのかもしれない。
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伯父も幾つか写譜した楽譜を残している。



もう1冊は料理のレシピノート。
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これには最後の方にNHKの「テレビ料理」の切抜きが1枚貼ってあり、
記事にない「アメリカ風ワッフル」のメモがあるから、
我が家にもテレビのあった時代のものかと思われる。
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ハンバーグステーキと酢豚
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タラコのほぐし方、肉巻葱、塩炒り揚銀杏、ハムスープ
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その細かい字最たるもの
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勤勉だった祖母を偲ぶ。

彼女の晩年、死に至るまでは、娘の家での半狂乱の生活。
私も同じ場所で半狂乱的な目にあって過ごした。

あー、歴史は繰り返す。




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# by mhara21 | 2016-08-14 10:21 | エッセイ | Comments(0)

8月9日 長崎原爆の日に

グレン・グールドはメンデルスゾーンの無言歌から5曲を残しています。
op19-1 甘い思い出
op19-2 無言歌  後悔
op30-3 慰め
op85-2 別れ
op85-5 帰還

あまりロマン派を演奏していないので、珍しい録音です。
その中から2曲、youtubeで見つけました。


Songs without words 1 (甘い思い出 op19-1)


Songs without words 2 (慰め op30-3)



そこの 大好きなグレーのシャツを着て ピアノを弾いてらっしゃる世にも可愛い坊やへ

お元気でいらっしゃいますか。
この世の中の有り様をどうご覧になっていらっしゃることでしょう。
アメリカが広島と長崎に原爆を落としてから71年経ちました。
こうやって退屈しのぎに勝手に喋ってるともしもあなたが生きてらっしゃったら、
お気に入りのファンのサイトに出かけて 長々とお話しなさったかもと 考えることがあります。

おかげさまで あなたの年より14年も長く 生き延びているようです。
昔はやけっぱちで 早く死にたいといつも思っていましたけど、
この頃は諦めたのか観念したのか、
そんなこと考えても無駄だとわかったように生きております。

あなたはこの世の中に生きてらっしゃるなくて良かったと思います。
それとも気を揉んでいらっしゃるでしょうか。

かつて動物の世界からも人間界からも 助けて助けての声を 聞いていらっしゃったと思います。
ご自分一人がのんびりと暮らせるようなタイプの方ではなかったですね。

もしも仮にですよ、あなたがここで私に乗り移って英語をしゃべり出して、
それがみんな横文字で出たらどうなる??  面白いことでしょうね

今日の原爆の日は どうか私と共に 祈ってください。

永遠なるあなたのファンまこより



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# by mhara21 | 2016-08-09 11:02 | エッセイ | Comments(0)

後追い日記1986年15・新しい先生に(9月)

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#9月-2 新しい先生に

「『パルティータ6番』と『アベッグ変奏曲』と『束の間の幻影』を弾くの」と勢いをつけてマリーナに話した。
「ちょっと待ってよ」とマリーナは当惑気味だった。
「チャイコフスキーの四季も全曲弾くわ。12月に会をするの」
「ねぇマコ。それだったら隣のMr.クバレックに習いに行かない? 彼はチャイコフスキーの『四季』全曲を弾いているわよ」

夏休み中に314のマリーナのスタジオで練習すると面白いことが起こっていた。たとえばャイコフスキー「四季」の「8月」を弾くと隣から「6月」の「舟歌」が聞こえてくる。それが止まると、向こうはしばしこちらの演奏を聴いている。4月の「松雪草」を弾くと向こうから10月の「秋の歌」が聞こえてくる。

Mr.クバレックはマリーナに誰が「四季」を弾いているのかと尋ねたそうだし、私も薄々Mr.クバレックが「四季」を練習しているのではないかと思っていた。
「ねぇ、だったら今から紹介するわ。これから学校に行ってみない?」
マリーナと私はレストランから出ると2人でMr.Kを探しに学校に行った。

「これは私の大好きな生徒です。教えて下さいませんか?とても上手です。きっと彼女を気に入りますよ」
Mr.Kはうつむいて私の靴ばかりを眺めていたが、最後に顔を上げてにっこり笑った。
「これで決まったわ」とマリーナはホッとしていた。
「Mr.Kのところに行ったら、何でもMr.Kの言うとおりにするのよ。わかったわね」と言い、マリーナは生徒のレッスンに急いで行った。

音楽を勉強した人の出鱈目な仕事がよくある。
チャランポラン、練習不足、恥知らず。
それでもとにかく舞台に上がりピアノを弾く図太い神経、こんな演奏会に行き会うことがかなりある。私の場合、体が壊れるほど、練習したのだからいい加減ではないにせよ、その体力を考えれば無謀なプログラムだった。

9月に入るとS氏が
「引っ越すことになるので新しい下宿を探してほしい。
 新しい家は小さいので、あなたを連れていけないのが残念よ」
と夫人。
なんと犬のピピンは薬物注射で殺されることになったという。
大きな犬も暮らせない小さなお家。




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# by mhara21 | 2016-08-05 00:00 | 後追い日記86年 | Comments(0)

コルトーのインタビュー

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クラッシック関係の古い記事を集めておられる方のブログの中で
コルトーが来日した時のインタビューが掲載されていました。

  チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ アルフレッド・コルトー、来日時の会話(1952年)

http://blog.goo.ne.jp/hirochan1990/e/89f69cd72559b456c94e2a0764d6b1ba

その中に、昔から母から聞いたのが、初めてだと思いますが、コルトーの言葉とされる

 「ピアノを1日弾かないと自分が気づく、
  2日弾かないと友達が気がつき、
  3日弾かないと聴衆皆がそれに気づく」

という有名な言葉は、実はルビンシュタインが、昔コルトーに言ったとあります。

バレリーナの森下洋子さんは、ピアノの部分をバレエにして 同じことをおっしゃってました。

言葉というのは、人の言葉をパクって自分のオリジナルのようになさる方もいらっしゃいますし、そうでなくともたまたま同じ考えや言葉になることもあると思います。

そういうわけで真面目で誠実な演奏家たちがどれだけ練習に心を砕き、
生活時間のすべてをそのことに向けて 意志強く 美を探求しているか、
というのは とても大切だと思います。

現在この言葉を日本の音楽ファンがどのように受け継いでるか、分かりませんが
珍しいものを見たので お伝えします







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# by mhara21 | 2016-08-02 11:00 | エッセイ | Comments(0)

Bidu Sayão ビドゥ・サヤン

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私が30歳の時、 13歳の時からのアイドル グレングールドが亡くなりました。
寂しさのあまり、もう当分ピアノを聴くことができないと思いました。
何が他のジャンルのものを...とトロントの図書館で探したら、
一声聞いただけで心を奪われる歌手と出会いました。

好きなところは、 ご自分は少しも上手だと思っていないところ。
1999年10月4日 グールドの命日に、黒田恭一先生がFMで サヤンの特集を組んで下さいました。
嬉しくて黒田先生にお礼の手紙を書きました。
その位日本では知られてない歌手です。

ビドゥ・サヤンは、NYメトロポリタン劇場最多出場のソプラノ歌手です。
ブラジルのフランス系家庭に生まれました。
私の好きなアーン作曲「我が心に翼ありせば」がないのですが、
オペラがお好きな方は、1度聞いてみてください。


動画は少ないけれど、その歌声を聴くことができます。

Bidú Sayão - Madama Butterfly

https://www.youtube.com/watch?v=e_3XwdpyeNo

Bidú Sayão - La Violetera

https://www.youtube.com/watch?v=EZCTYN772w0

BIDU SAYÃO - O MIO BABBINO CARO

https://www.youtube.com/watch?v=LNHf26uNfok

Villa-Lobos / Bidú Sayão, 1945: Bachianas Brasileiras No. 5 - Liederkranz Hall, New York City

https://www.youtube.com/watch?v=2NvNxmqFxdU

Jussi Björling & Bidu Sayão - E il sol dell'anima...Addio addio (1945 live)

https://www.youtube.com/watch?v=NYjANErVM_c

Bidu Sayão in La Traviata

https://www.youtube.com/watch?v=K4hOOZF5ASU

Bidú Sayão - "Veleiro" - Heitor Villa-Lobos

https://www.youtube.com/watch?v=H1q8rfBShdg

Canção do Amor

https://www.youtube.com/watch?v=TkfFd4tcea8


Bidu Sayão - CANTO DA SAUDADE - Alberto Costa

https://www.youtube.com/watch?v=HEKbRMAej7I

Bidu Sayão - Bachiana nº 5 - Cantilena

https://www.youtube.com/watch?v=bLZD0XplYrI

Melodia Sentimental - Bidu Sayão

https://www.youtube.com/watch?v=E9HdClmk9ow


サヤンのことが載っている頁など。

Bidu Sayão wiki 英語版
https://en.wikipedia.org/wiki/Bidu_Sayão

From The Metropolitan Opera Archives:
 A Bidú Sayão Album 1902 - 1999

http://archives.metoperafamily.org/Imgs/BiduSayao.htm
1940年代のコミック「Boasto of Brazil」も掲載されている。

Alchetron Bidú Sayão
http://alchetron.com/Bidu-Sayao-1330509-W

ブラジルのビドゥ・サヤン(1902-1999)ミミなども得意としたサヤンはメトを中心に活躍した歌手で彼女のミミはメト最初の全曲盤LPとして世に出ている。
(http://homepage3.nifty.com/classic-air/feuture/fueture_12.html から)









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# by mhara21 | 2016-07-31 13:59 | エッセイ | Comments(0)

後追い日記1986年14・マリーナの苦悩

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#マリーナの苦悩

マリーナと私は、和食レストランで食事をしていた。
「最近の親がよくわからない。昔の生徒の親たちと接していた時と比べると思いもよらないトラブルが起きるわ」
マリーナは深い憂鬱に沈み込んでいた。
「一体、私が何をしたというの? 彼らは美しい音楽を得て、十分上手になったと思ったら、親が必ずおかしくなる」

私は、その原因を尋ねられていると思った。
「時代が一世代変わったのかもしれないけど、昔の優秀児たちの親のレベルが、先生のレベルに近かったのだと思います。彼らは何を感謝して、あなたのレッスンにどんな内容があったか、ずっとよく理解できているから」
「でも、こんな騒動が起きて、一体世間の人は、私と彼らの事、何と言うと思う?」
「多分、『あなたが子供を利用して、子供が先生を嫌い出した』でしょう」
「やっぱり? ロシアでもピアノの先生は女性が多い。反対にヴァイオリンの先生は男性が多いので、同性でない主婦とは問題が起こらないの」
その訳はよくわかった。
自分に何もない母親ほど、子供に賭ける。
そして中身のない人は、自分の子供の出来がいいと威張り出す。
『私の子供が頭が良くて才能があるからこんなに伸びたのであって、あなたの力ではない』とばかりに、立派な先生と張り合うのだ。
その様子は実際に騒動を起こしていた母親たちに車に連れ込まれたり、家に呼ばれたりして、散々聞かされていた。
マリーナはそんな事も少しは知っていた。
「何を聞いたの?」と聞かれたけれど、知らないふりをして、彼女に嘘をついていると思われた時もあった。

私は、静かに切り出した。
「それに私はあなた程、できないところを神経を使って情熱を注ぐ先生がそういないと思っているの。生徒の事を気遣って下さるし、彼らは、他の教師を知らないから、それに慣れてしまっている。出来上がったあなたの生徒を手に入れる教師は、あなたが育てた花をただ摘み取っているだけだと思うわ」
この言葉にマリーナは深くしみじみと頷いていた。

音楽院が、音楽はさておき、欲望と競争のヘドロからメタンガスが発生する場所とは知っていた。また音楽を志す人が、実は心から音楽を愛する事の出来ない人たちだと知るのに、時間はかからなかった。
でもただ好きで上手になりたい一心で希望に燃え、勉強していたので、まさかすっぽりその渦に巻き込まれるとは思っていなかった。




next 86年15・新しい先生に(9月) へ









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# by mhara21 | 2016-07-15 00:00 | 後追い日記86年 | Comments(0)