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合い言葉GG
by mhara21
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☆マサコのプロフィール
13才のときにグレン・グールドのピアノに 出会う。以来抱き続けたグールドに会うという夢を追って28才でカナダへ。後追い日記はその記録である。
属性はシャーマン。


☆ミクシに習って、ぬさんからの紹介状
不在の幻影から愛するひとを救い出し、グーグルキャッシュの中に愛のエクリチュールを刻印しつづける、GGの恋人。二人はもう触れあうことができないが故に永遠に惹き付けあうことができる、まるで恒星と惑星の関係のような、あらゆる恋人が夢見るユートピアに住むひとです。


☆このブログの本拠地は
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後追い日記83年15 ・夏休み

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後追い日記83年15 ・夏休み_b0071688_1151830.png


#夏休み

6月2日、夏休みを日本で過ごすため、ニューヨークから帰国の途に着く。飛行機は、コリアン・エア。大阪空港に着いたマコは、兄姉の出迎えを受けた凱旋将軍だった。

家族は長く患ったマコが海外で学生になれた事を殊の外喜んでくれていた。
2年2ヶ月振りに日本のムッとする湿気がドッと襲う。
 −これだ、これが悪くて日本には住めないのだ−。

家族の愛に包まれて休暇を過ごす。でもノイローゼの材料がいくつもあった。まず、体の痛みが、いつもマコをイライラさせていた。2年生になって一緒に勉強するマリーナ先生とはうまくやっていけるのだろうか? 


#木村先生

マコは、宮崎や東京方面に旅行に出かけた。1番の訪問先は、以前お世話になった拝み屋さんの木村先生の所だった。

グレン・グールドの霊は、木村先生を通して出て来た。
「生きている間に、お目にかかりたかったですね」 
 − 戯けた事を言って。それは私のセリフじゃない。 −
マコはあきれた。
 − 私が名もないヘンテコリンな女性だから逢わなかったのでしょう? 有名人なら逢っていたかもね。−

「いいピアニストになりますよ。応援するからしっかり勉強するように。幸せになって欲しい」

「あなたの恋人だった人について知りたいの」
「沢山いたけど、結局愛してくれた人は1人だったよ。その人は騒がれたくなくて、今はひっそりと暮らしている」

「私達、いつも一緒でしょう」
グールドの霊が乗り移っている霊媒師の首は深く頷いた。

先生の所では、いつも炊きたての白いご飯を山盛りにしてお供えする。果物も野菜も沢山。お菓子や時にはお中元の香水も供養として捧げられた。
供養が済むと食べ物は、ひとまとめにして王子動物園の動物さんにあげるように持っていく。お流しとも言っていた。

20代の頃、木村先生が原家の因縁がきついので関わりたくないと言っているのに、なぜかご縁があって、毎日のように通った。多くの霊が次から次に出て来た。その頃はマコが行くと木村先生は、苦しそうに倒れてしまうのだった。

お塔婆に母の名も書く。
「奥さん、霊になってしまったね」と先生は感慨深そうに、木の葉でお酒をかけながら並べている。
「お母さんは優しい人だったから、霊の成仏が早かったよ」
「マコの母がマコの手を取ってピアノを教えているところが見える」
「おねえちゃんは(彼女はいつもマコをこう呼んだ)、体がねぇ・・・」悲哀とも取れる様な呻き声。
「今度、カナダから帰ってくる時、おねえちゃん、結婚してる」
最後のおまじないの時には、
「おねえちゃん、わがままやね。ちょっとやけど」

久しぶりに思い出深い場所に座って、お線香の香りを嗅いでいると、お線香の匂いにアレルギーでむせている私用に無臭のお線香を買って下さった供養に来られた人を思いだした。


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by mhara21 | 2006-09-25 10:37 | 後追い日記83年 | Comments(0)
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