合い言葉GG
by mhara21
検索
☆マサコのプロフィール
13才のときにグレン・グールドのピアノに 出会う。以来抱き続けたグールドに会うという夢を追って28才でカナダへ。後追い日記はその記録である。
属性はシャーマン。


☆ミクシに習って、ぬさんからの紹介状
不在の幻影から愛するひとを救い出し、グーグルキャッシュの中に愛のエクリチュールを刻印しつづける、GGの恋人。二人はもう触れあうことができないが故に永遠に惹き付けあうことができる、まるで恒星と惑星の関係のような、あらゆる恋人が夢見るユートピアに住むひとです。


☆このブログの本拠地は
 海峡web版  です。

グールド、並びにグールド家からのプレゼントはこちら。

 グールドのサイン入りレコード
 もう1つのレコード
 グールドの本とそのメモ書き
 パパグールドさんのご本

☆グールドおよび後追い日記に関係のないトラックバックやコメントは削除する場合があります。
カテゴリ
全体
後追い日記81年
後追い日記82年
後追い日記83年
後追い日記84年
後追い日記85年
後追い日記86年
後追い日記87年
グールドからのプレゼント
グールドへのメール
エッセイ
ゴルトベルクをめぐる
グ−ルド・レストラン
8月のゴルトベルク
グ−ルドとエクスタシー
田中希代子
未分類
タグ
(94)
(56)
(32)
(21)
(14)
(13)
(12)
(10)
(8)
(4)
(3)
(3)
(2)
(2)
(1)
フォロー中のブログ
海峡web版
記事ランキング
最新のコメント
せっかくコメントを書いた..
by grpspica at 12:37
田中希代子さんのファンは..
by grpspica at 10:59
バレンボイムが、[ アル..
by grpspica at 10:54
I'm in Taipe..
by grpspica at 07:16
Dear Toshi, ..
by masako at 19:34
以前の記事
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
more...


後追い日記81年38  ・3人きょうだい

後追い日記81年を1から読む


#3人きょうだい

上の息子は、病気で家にいると「マコ、一緒に遊んで‥‥」と寄って来る。へばりついて遊んでくれと言う割には、憎らしい、人を人とも思わないことを口にした。
「ピアノの練習を見てくれ」
というから、付き添うと
「そんな下手な英語で僕にピアノを教えるな」

フレデリック・フィリップという王子様のような名前を持った子供だが、マコが名前を呼ぶと兄妹揃って
「(発音が)違う、違う。お兄ちゃんの名前ではない」
と大騒ぎ。

ピアノの教則本であるメトードローズの中にフランスの古い歌「月の光に」がある。マコが習ったフランス語で歌うとこれまた「違う、違う」と言っては口を耳まで開けて笑う。

マコはローズマリーに「おもちゃのチャチャチャ」をピアノで弾いて、大袈裟なグリッサンドを付けた。ローズマリーはそれが気に入って、何かに付けて「Let's play おもちゃのチャチャチャ!」と言い、ふくよかな指で、太っちょのグリッサンドをかき鳴らしていた。
 ゴドウスキー夫人には「さくら」を教えた。柔らかな日本語が素敵だと言っていた。

 リサは実在する従姉の「ナタリー」にぞっこん参っていた。
「ナタリーがどんなに素敵か。自分はとてもかなわないわ」
「あなたもとても素敵よ」
「でももしマコがナタリーに会ったら、私なんかメじゃなくなるわ」
長男はトロント王立音楽院でピアノを習っていた。先生の名前はチャイコフスキー。
門下生の音楽会がアベニューロードの音楽院の支部で開かれるので行くことになる。

リサがトコトコと地下の私の部屋に降りてきた。
「何を着るの? 私、あなたにきれいにして来て欲しいの。洋服を見せてちょうだい」
タンスを開くと
「これを着て行って」
とカナダに来た時着ていたスリーピースを指差す。

「夏の服だから着れない。これを着るつもりよ」
と赤いワンピースを指差すと
「いいわ」
と部屋を出て行った。さすが女の子。

家の中には洋服もおもちゃも山程あった。
フランスの現代童謡のレコードの中の「ナタリー」と「電話の歌」が気に入った。
「ナタリー」は日本でいう「さっちゃん」のような小さな女の子を恋する歌だろう。
何かにつけて「ナタリー、ナタリー」と名前が繰り返された。
「電話」の方は「そらそら電話がなるぞ。もしもし、お嬢さん、奥様、旦那様」位のフランス語しか分からなかった。
メロディーの躍動感からベルが鳴って「さあ出るぞ」の冒険が感じられた。

夫人はアルジェリア出身のフランス系ユダヤ人なのでフランス語のレコードがあったのだろう。フランスの歌の美しさは、言葉のせいか特別のものがある。私はこの2曲に聞き惚れ、慰めとした。

マコは疲れていたので子供と遊ぶ時は、体を横にしたかった。
ローズマリーひとりの時は、ベッドで息を秘そめて、「オオカミが来た」と毛布をかぶってテントを張る遊びでごまかした。
引っ付くとなるとほっぺを押し付け、両腕をマコの首肩に廻して、時々、"A wolf "だけでグーといびきをかいて寝てくれた。

3人一緒の時は、ひとまとめにしてベッドに寝かして、こちらはオオカミの真似をする。
決め手は毛布をかぶせることだ。見えなくなると想像の世界に入りやすい。
「何か匂うな。男の子一人に女の子二人の匂いがするぞ。さて、どの子から食べようかな?」

クスクス笑いが始まっている。毛布の上から目星をつけて、順番に公平に体をひねる。
恐ろしそうに指をもみ込んで、違う声が上がるのを楽しむ。
「さぁて、うまいか、まずいか、、、」
最後に毛布をパーッと剥ぐと、子供達は身も世もない程、幸せそうに笑いこけていた。

ガーデンパーティーの時にジョーン・フィリップを追いかけまわして、目が合うとおにごっこを始めたけれど、よく相手になって、逃げてくれた。
子供は大人と違って愛しいとマコは残酷な家の中で、モーツァルトのオペラで遊ぶ気持ちになれた。

子供は、どうして少しの事ですぐ幸せになれるのだろう。
きっと、相手がどれ位お金を持っているか? なんて考えないからだろう。
今現在の事しか考えないから前後左右に気が散らないのだろう。



next 81年39へ




**********************************
[PR]
by mhara21 | 2006-05-19 09:40 | 後追い日記81年 | Comments(0)
<< 後追い日記81年39・ゴドウス... 後追い日記81年37・住み込み... >>