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合い言葉GG
by mhara21
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☆マサコのプロフィール
13才のときにグレン・グールドのピアノに 出会う。以来抱き続けたグールドに会うという夢を追って28才でカナダへ。後追い日記はその記録である。
属性はシャーマン。


☆ミクシに習って、ぬさんからの紹介状
不在の幻影から愛するひとを救い出し、グーグルキャッシュの中に愛のエクリチュールを刻印しつづける、GGの恋人。二人はもう触れあうことができないが故に永遠に惹き付けあうことができる、まるで恒星と惑星の関係のような、あらゆる恋人が夢見るユートピアに住むひとです。


☆このブログの本拠地は
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後追い日記1985年20・ゲリンガス氏の生徒たち(12月)


後追い日記1985年20・ゲリンガス氏の生徒たち(12月)_b0071688_940761.png


# ゲリンガス氏の生徒たち

コリンという男の子がレッスンででたらめに音を鳴らした時、私は笑い出して止まらなくなってしまった。
『男の子って凄いなトコトン無茶苦茶をする』と思ったのと、
『ヴァイオリンはとこぎりしびれる素敵な音も出せるのに、悪い方の音も底無しだなぁ』とピアノの良い音悪い音に比べてその幅広いことにびっくりして笑い出した。
部屋にいる他の大人2人と子供1人が笑わないのに、トンマで怒られてばかりいる伴奏者が涙をこぼして笑っているのは本人も耐えられない位おかしさが増した。
20分後、「いい加減にしろ」とヤコブ氏が怒鳴りあげた。
ピアノを弾きながらも笑っていたのだ。
コリンの母親ジーンは今でもクリスマスカードを下さるけれど、一生の間であんなに笑える日が又来ることがあるのかしら?

オーディションの当日、コリンやジーンと楽しく話してリハーサルをしていた。
グリンガスさんが笑顔で見回りに来た。
「オーディションは遅れていないかな?」と問われる英語の中に
『behind』という言葉があったので、『behind』には時や予定が遅れているという意味があるのを知らなかった私は「物の後の方に」と解釈し「ピアノの後には壁があります」とトンチンカンな答えをした。
グリンガスさんとジーンは顔を見合わせ、笑っていた。
人に笑われることは、笑ってはいけない場所で笑いを堪えるよりずっと楽だった。

キャーレンという女の子とは、メンデルスゾーンのヴァイオリンコンツェルトを弾いた。
これも大変だった。カセットを買いよく聴いた。
キャーレンに電話する時は、BGMにそのテープを流しいるとそれに気付いた彼女が笑い声で話してくれることもあった。
キャーレンとイヴォンヌの2人には当日、「これ以上準備出来なかった。何かあった時はご了解下さい」と挨拶をした。
案の定やっとこなしたと思うパートが過ぎたところでピアノを弾く手は完全に事切れたように止まってしまった。
でもキャーレンも私も心静かに曲を再び始めることが出来た。
終わってから学院の中を歩いていると、試験官だったヴァイオリンの先生が「よくやっていたね」と声をかけて下さった。

2日間に次々とオーディションを済ませた。
そして私自身のもイタリア協奏曲で済ませた。
20日過ぎに音学院の玄関の所で「マコじゃないの?」とハーモニーのクラスのテッドが声をかけてくれた。
「今、何しているの?」
「グリンガスさんの生徒の伴奏をしてるの」と答えると
「がんばってるね。メリークリスマス、マコ」と言った。
「メリークリスマス、テッド」と言いながら、
『もうクリスマスなんだわ』とびっくりした。

とにかく大波乱含みの学期だった。
うまくあわないときマリーナは
「こんなに沢山の仕事を1度に与えてしまって、私の誤算でした」
と謝られた。
しかしどこからか「カン」が働き、コツが分かると大変楽しい仕事になっていった。



85年21・クリスマス へ


写真 音楽院現在





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by mhara21 | 2015-09-19 00:00 | 後追い日記85年 | Comments(0)
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