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合い言葉GG
by mhara21
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☆マサコのプロフィール
13才のときにグレン・グールドのピアノに 出会う。以来抱き続けたグールドに会うという夢を追って28才でカナダへ。後追い日記はその記録である。
属性はシャーマン。


☆ミクシに習って、ぬさんからの紹介状
不在の幻影から愛するひとを救い出し、グーグルキャッシュの中に愛のエクリチュールを刻印しつづける、GGの恋人。二人はもう触れあうことができないが故に永遠に惹き付けあうことができる、まるで恒星と惑星の関係のような、あらゆる恋人が夢見るユートピアに住むひとです。


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後追い日記1985年13・教師としてのマリーナ(8月25日)


後追い日記1985年13・教師としてのマリーナ(8月25日)_b0071688_18515290.jpg


# 教師としてのマリーナ

マコは、このところマリーナ先生のスタジオで他の生徒の授業を見学している。
マリーナの教授法はユニークだ。まず彼女が好きで良く教えられると思う曲の選定が出来ている。
この曲のこの個所は、この技術の習得に役立つとか、生徒の状態をどの方向に流したい時には、この曲をというように方針の確立している先生だった。
ショパンのノクターンNo.9ロ長調は、かしこい子供なら小さくても弾く。
同じ先生に習った弟子たちが微妙な差で曲を表現するのを聴くのは贅沢だった。
どの曲をどの時期にということでは、センスの光る人であったが、ご本人が優秀なために、鍵盤に指をおけば、すぐにバレリーナになれる生徒以外は、先生も弟子もストレスになる。
いつまでも生徒の状態が同じでも平気なピアノ教師や、何も吸収できない生徒には勿体ない。
ピアノはどの位早く譜が取れるか? タッチ(音)の種類、表現の多様さ、芸術的オーラの放射で値うちが決まっていく。
マリーナは夏には、ピアノ教師のためのコースを準備していて、そこで、「練習量の多い生徒の話はいい加減にしろ」とばかりに文句を言った人がいる.

ピアノの練習とはなんだろう。
料理でも、きちんとすればすぐ4、5時間かかる。
掃除の20分なら、少しの場所しかきれいに出来ない。きれい好きは20分を決める。練習しなくて気楽に通える先生と、怖いから知らずの内に練習する癖がつく先生とどちらがいいのだろう?

マリーナは、ドロップ(飴ではなく←いらない?)、打鍵で音(?)を落すようにして、音を出すこと)のタッチで、3つの音を弾くと(同音でも3音アップダウンでもよし)、「クレッシェンド」(だんだん大きく)、「ディミニエンド」(だんだん小さく)と3つの音がそれぞれに同じ表現でないことが大切と言った。
音の粒がよく揃うというのとは全く違った話で、ドロップ自体、原始的なタッチである。
ここに変化を加えることで、人間のセンスに3つの音が、「バカっぽく」鳴ることを防ぐ美意識を高めていく(ごく初期のメソッド)。
たとえていうなら、プランターのチューリップが皆、同様に咲かずに、1本はつぼみ、1本は開きかけ、1本は全開。1音1音ていねいに観察できて、長い間楽しめる音楽作りにつながる。
マリーナは、実に綿密に、音楽を紡いでいた。明快な奏法原理をもって。

何でもないことが全体の美を左右するのではないか?
たとえば楽器の音を語学の発音とすると、アルファベットの音表がピアノにもあって、本来は発音を奏法を伴って教えることのできる教師が少ない。
初期に完成させたいメソッドのように思う。アーティキュレーションにつながる音色の豊かさは、フレージング(文法)を助け、そこまで美に気を使う教師は、心ていねいに子供の相手ができる。
問題は、子供も親も教師の資質に気づいて尊敬することが出来るかである。
美を感じて、自然に努力出来るかが、ポイント。
こればかりは相性で、マリーナの値うちがわからず、ややこしく高望みする先生のように感じる人もいる。
人はお互い自分に近い人しか喜べないものである。
音楽との関係はマコには、心理的な条件が大切なように思われる。
セカセカしない、人に認められようとしないで、自分の心の喜びのために音楽と向き合う。
でなければ音楽は人間の情緒の助けにはならない。



85年14・伴奏者となるきっかけ へ




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by mhara21 | 2015-09-14 00:00 | 後追い日記85年 | Comments(0)
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