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合い言葉GG
by mhara21
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☆マサコのプロフィール
13才のときにグレン・グールドのピアノに 出会う。以来抱き続けたグールドに会うという夢を追って28才でカナダへ。後追い日記はその記録である。
属性はシャーマン。


☆ミクシに習って、ぬさんからの紹介状
不在の幻影から愛するひとを救い出し、グーグルキャッシュの中に愛のエクリチュールを刻印しつづける、GGの恋人。二人はもう触れあうことができないが故に永遠に惹き付けあうことができる、まるで恒星と惑星の関係のような、あらゆる恋人が夢見るユートピアに住むひとです。


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思い出のハイドン

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思い出のハイドン_b0071688_1527297.jpg



人生60年。
今までに親しんだハイドンピアノ特集。
モーツァルトのソナタに比べたら、少し荒い感じがする。
ベートーヴェンのソナタに比べたら、弾くのに体力はそれほど取られない。
でも3日も続いたらがっくり来るおかずかな。
昔、ハイドンピアノソナタを全曲弾きたいと言われたピアニストは、ハイドンのソナタを「いぶし銀」と評されたが、私にはわからない。

我が家では母のお弟子さんが1曲。
母は家では1度もハイドンを弾いていないが、彼女に選んだのは 34番 e minor Hob.XVI:34。
ブレンデルも好きだったのか、コンサートで弾いていた。
今となれば、なぜ母がこの曲が好きだったのか聞いておかなかったのが残念。

49番 c#minor Hob.XVI:36 はマリーナ先生が大好きで、選んで下さったとても美しい、難しい曲。

1982年の夏、発売されたばかりのグールド、後期ハイドンソナタ集のLPをトロントで購入。その後、1人でカヌートリップに行くと、旅の間中、グールドがハイドンを弾いていた。
亡くなった後、その思い出と一緒にいられたらと思い、グレード 10 のテストに61番 D Hob XVI: 51を選ぶ。

母に習った42番 XVI:27 は私の調G Dur。
20代の思い出。お別れが近かったのだ.....。

マリーナの生徒があまりに美しく弾いたので、50番 D Dur XVI:37をトロントで。
特に2楽章の深さに、ハイドンは人生の苦悩の井戸ではないかと感銘を受けながら練習。

そして、たった1曲と言われたら、やはり田中先生の演奏。31番A♭XVI:46。 

*****

平安期の仏画の「截り金(きりかね)」を知り、正に私が田中希代子さんの演奏に見ていたものと確信した。

金箔を0.08mmに切れる技術者はほとんどいない。
そして2本の筆を使って金を埋めていく至難の技は,他のピアニストは誰も出来ない。

平安朝の女性たちは「馬頭観音」に見られる「截り金」の金色に自分たちの成仏への願いを込めて見ていた。

私が少女時代から、田中先生の世界に惹かれて止まなかった訳が、52年経ってようやく解明された。
田中先生のように、人の成仏を助ける芸術を奏でられる方は、やはり自己犠牲の人生を送られるのかと、少し悲しくなるけれど。

この技法は「普賢菩薩」の仏画にも見られるという。
反面、江戸時代の浮世絵師「鍬形惠斎(「けいさい」の「けい」は本当は草冠がつく」のようなわずかな線で書いている対象の特徴をよく伝える。
洗練されたユーモア、生活感溢れる知性のゆとりなど、この2つの両極の世界を、田中希代子さんは持っておられるように思う。
これからも田中先生の芸術に似た,違うジャンルの世界に出会いたい。

涼しげなルリヤナギ








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by mhara21 | 2012-06-10 17:11 | エッセイ | Comments(0)
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